こんにちは。今日はちょっと長いですがご容赦ください。
法人のお客様を中心に日頃から車のリース商談をさせていただくのですが、商談の中でお客様からリースについてのご質問を受けることがよくあります。リース会社や関連するサイトにも概念や理論は掲載されていると思うのでそちらも参考にしていただくとして、車を売っている者の視点で何度かに分けて少し解説してみようと思います。何かのお役に立てば幸いです。なお、実際の商談活動の中で個人的に整理し文章化したものですのでご了承ください。
割と多いのが次の質問です。
「リースという言葉は聞いたことあるけど今一つよく分からない」
「レンタルとの違いが分からない」
「ローンとの違いが良く分からない」
「リースって結局損なの?得なの?」
最初に申しますと、4番目の損か?得か?という話については一概に言えません。価値観、判断基準はお客様ごとに違ってきます。最終的には「お客様の考えにフィットするかどうか」「合理的な手段と感じていただけるかどうか」が判断ポイントになると思います。
まず、レンタルです。自動車の場合はレンタカーとなります。一言で申しますと「お金を払って一時的に借り受けるサービス」ということです。中には数年単位というものもあると思いますが、比較的短期間の利用が多く、不特定多数の方が利用することを前提としていて、返却義務が生じる契約形態です。必要な時だけ借りるニーズに適しています。買うよりは安いがずっと使えない、一日あたりにすると割高ということも多いです。
さて、リースです。「オートリース」「カーリース」「マイカーリース」「自動車リース」と呼ばれるものが該当します。
巷では「○○レンタリース」という呼称が多いのでレンタルと同じように捉えてしまうのかもしれませんが、レンタルとの大きな違いは特定の人(法人)=契約者のみが取決めた条件に沿って利用できるという点です。
リースの具体例ではオフィスにある「コピー機」「複合機」等が分かり易いでしょうか。リース会社等が所有しているものをオフィスにいる方が利用している状態だと思います。機器を所有することには特に意味はなく、業務で必要とする機能仕様の機器が利用できれば良いケースが多いと思います。(コピー機等が希少価値のあるもので珍しいのであればコピーを所有していることはステータスになり、売却する際も高く売れるので所有する意味はあるかもしれません。しかし、現在はどこにでもある当たり前のものになっています。)
一般的にリースにするメリットと言われる点は次の通りです。
「資産計上せず損金計上(経費処理)ができるので会計面でのメリットがある。」
「リース期間終了後の売却価値(残存価格)を差し引いて期間中の利用料を算出している。そのため一台丸ごと買うよりは月々のキャッシュアウトが少なくなる。(※) 」
「リースの対象となるのは比較的高価格のものが多いため実質的に資金調達と同じ意味合いとなり、 負債に計上されないので財務上のメリットがある。」
「管理業務の負担が軽減される。
・自動車のように所有することで税金が発生する場合は通常所有者への課税となり、リース料に含まれるので台数分の税金支払手続きを自社で行う必要はなし。(支払の平準化)
・維持費用をリースに含めてしまうことが可能である。(支払の平準化)
・リース契約の終了と共に返却し最終処分手続きを自社で行う必要がない。」
※そのようなケースが多いと思いますが、価格が低いものはリースのほうが高くなるケースもあると思います。
デメリットとしては、自己所有名義が適切な場合はNG、改造や勝手な部品交換はNG、条件を超えての利用や消耗があった場合は精算が生じるケースもある・・等です。
また、多くの場合、当初のリース契約期間終了後にリースを延長することもできます。終了時点で延長、終了、新規入替のうち適切な選択をすることが可能です。コピー機・複合機をはじめとして工業製品は日進月歩で進化し性能が向上していきますので持ち続けるよりは新しいものを導入したほうが良いという判断も当然あると思います。自動車をこのように捉えられる方であれば個人の方であっても車のリースに合点がいくような気がいたします。
ざっくりした説明ですが、自社で自前で全部買うよりは合理的と判断されるケースが多いのではないでしょうか。
最後にローンです。仮に100万円するコピー機(複合機)を自社の備品として購入したとします。その際に手元に資金が不足していたので銀行から購入資金を借り入れました。当たり前の話ですが、この借入がローンです。100万の資産が増え(減価償却実施)、同額の負債が発生してこれを利子と合わせて返済していきます。仮に5年で返済として、5年後からはちょっと旧くなりますが紙代とトナー代で使えることになります。もちろんメンテナンス・修理が必要な場合は都度実施します。
今回はリースの説明なのでコピー機・複合機というリース向きのものを例に取りましたが、もちろんリースが全て良いということでもありません。同じものでも会社ごとに判断が違うと思います。
また、会社での例を使いましたが、個人の方のマイカーの場合は嗜好品の側面、換金可能な動産(資産)という側面があり、経費処理もしませんが、レンタル、リース、ローンの仕組みは同じです。ウィークリーマンション・賃貸住宅・持ち家の例えが良いのですが、住む場所は数十年単位になることもありますし、駅や中心地から離れることで同じ広さでも安くなる、仕様が一律ではない等、モノとしての判断基準は異なってくると考えています。(新車リースの話ですので新車に限定しますと、税金は一律、仕様・性能は基本同じ、価格も地域差は比較的少ないはずです。)
次回以降もリースついて少し説明してみたいと思います。長文にお付き合いをいただきありがとうございました。