最近の欧州車はだいぶメンテナンスフリー化が進んでいるという見方も出来るのですが、国産車の感覚と同等というわけにはいかず、基本的には消耗品を交換してメンテナンスをしながら手間をある程度掛けながら乗っていくものと考えるのが妥当ではないかと思います。


端的に言ってしまえば設計思想が違います。国産車は壊れにくく、メンテナンス費用の負担がかからないクルマ作りをしていますが、欧州車はメーカーが考える性能もしくは特徴を維持するためには交換が前提という節があります。消耗品(定期的な交換や補充が必要なもの)に対する考え方が国産車とはだいぶ異なります。


代表的なことで言えば、オイル交換です。ベンツやBMWが有名ですが、メーカーごとにオイルの認定規格を定め、規格外のオイルを使うと保証されないだけでなく実際に故障につながってしまうこともありますので注意が必要です。


また、消耗品の例ですが、BMWは5~6万キロも走りますと足回りのブッシュ(ゴム製の緩衝材)が減り、経年劣化するので交換が必要となります。ベンツもそうですが、エンジンにガソリンを送る燃料ポンプも消耗品、ブレーキローター(ブレーキパッドが直接制動する鉄製の丸い板)も6~8万キロ程度走ると要交換となります。国産の標準的な乗用車でブレーキローターが減って交換というのはあまり聞きません。有名なビルシュタイン製のショックアブソーバー(路面の凹凸や衝撃を吸収する筒状の足回りパーツ)はオーバーホール(分解清掃)できるものもあります。日本製のカヤバとかは普通ヘタったら交換ですよね。


ディーラーや整備工場にお任せだからあまり気にしたことないというユーザーも多いと思いますが、コスト判断はともかくとしてそのクルマを知っている人に診てもらえているのであれば安心だと思います。問題はそのような説明なしに買ってしまったというケースだと思います。そういうケースはお互いが不幸になり、なにも生まれません。少なくとも自分のところで購入いただくお客様にはそのようなことのないようにします。ご理解いただいた上であれば一味違う満足感がより大きなものになると考えています。


欧州車についてはまた機会を見つけて書きたいと思います。


本日はこの辺で。


クルマ好きがクルマ屋やってます。
各種ご相談承ります。
http://car-makotoya.jp